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真夜中の訪問者
 実家からの連絡を受けた。

 祖父からの電話は…意外、というか微妙、というか…なかなか脱力するようなものであった。

 そもそも我が家は忘却期前から、その武技を以ってゴーストと戦ってきたものの…忘却期後は、能力自体は本家、つまり我が家からは失われていた、という設定なわけである。いや、きっちり背後の趣味な部分が多い設定なわけだが。

 だが、それに代わる力として、情報はしっかりと記録、保存していた家であった…、と言うことにしている。
 でないとあまりにも役立たずすぎるし、そうした経験は技としてにしろ情報としてでも記録しておくのが普通だろうと思うからだ。

 そして今回、土蜘蛛一族への一件が起こった際も俺は実家へ連絡し、それらしい書物がないかと、主にそうした記録を――古書を保存してある蔵にないものか探してくれるよう頼んだわけだ。

 だが、それはとうとう土蜘蛛との決戦まで見つかることはなかった。

 戦争などで紛失したのかもしれない…当時はそういうことでケリがついていた土蜘蛛、来訪者などに関しての記録だったが――それが今になって発見された、というのである。
 …果たして、激しく今更である。
 それはすでに――学園側からの情報として得ていたのだから。(笑)

 とはいえ。
 必死に探している時には見つからないものが必要でなくなってから見つかる……まあ、ままあることだなと思いつつ。

 同時に――こうも思ったものである。














 …世界結界恐るべし。











 と。

 そう…恐ろしいことにこの世界結界、能力者自体には影響は及ぼさないものの、周囲の人や物へは当然その力を発揮する。

 よって推測するに――未だ俺が認識できていない事柄は。

 …たとえ側にその真実が転がっていようと気付けないのである。

 ……我が一族の数百年に渡る努力の結晶をもこうも簡単に無駄にする――。

 世界結界恐るべし、である。(2回言った)

 まあさておいて…それに伴い、新たに判ったこともあり、それも含めて冒頭の祖父からの連絡があったわけである。

 簡単に触れると…上記の、新たに俺が認識することで浮上した世界の真実により、それに関わる人物が、まさに運命の糸が結ばれたように――近々俺の元を尋ねるかもしれん、とのことであった。










 そして数日後の、真夜中。

 大きな風呂敷包みを背に負った、とある人物が俺の元を尋ねてきたわけだが――…それはまた別の機会を持つことにし。

 一先ず、筆をおくことにする。











 以上、軽いネタ補完。
by ryu-itirou | 2007-04-23 01:50 | 雑記