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死国








 そんな小説があったな、と思い出したのは。
 四国は愛媛にて起きた、大規模なリリスによるゴースト事件のためだ。

 もともと単独で動くのが主だった筈のリリスが数体ごとに集い、同じく数人から数十人の一般人を魅了して血と戯れの饗宴を行っているというのである。
 それを運命予報した学園によって素早く殲滅依頼が出された、俺もそのうちの一つに参加している。
 予報士達の言を借りれば『サバド』と呼ばれたこれは、うむ、確かにいかにも、儀式めいている。
 土地に穢れと、血を刻み込み不浄なる力を高めようとするかのようなこの祭典は、古い魔術でも邪法としてようよう行われて来たことだが――今やそうした古い言い方、所謂穢れや、血、と言った用語を用いずとも説明はつく。
 ようは無念の死を遂げた人の魂によって、残留思念を土地に刻み、また一般人を多く巻き込んだ大きな事件を起こすことで、世界結界へのダメージを与えているのだ。
 するとどうなるか?
 そうすることによって、より大量の詠唱銀をその土地に呼び込むことが可能である。
 しかしこうして考えてみると…いかにも今までのリリス関連の事件とは一線を画しているこの事件は、どうにも背後で蠢く何者かの存在を感じさせずにはおれない。

 先の事件でも書いたように、四国には今天輪宗なる組織に東北の土蜘蛛女王、またその配下の者と巫女達すら姿を見せているのだ。
 これら存在とリリスの間に関連性がないとはとても言いがたいだろう、学園TOPにて壱予も言っている――『リリスと蜘蛛童が一緒に悪さしてる事件もあったような!?』と。

 もし、俺の推論が正しければこれは今までにない重大な事件の勃発である。
 それは、現代に生き残っている組織の間で――それは来訪者の組織もあわせて――タブーとされている『能動的な世界結界の破壊』行為が、平然と行われているということに他ならないからだ。
 しかしてあの東北の、狂気に囚われた土蜘蛛の女王であるならば…おそらく自分の目的のためには手段は選ぶまい、とも思える。

 だが今はまだ、全てが憶測の中。
 同じく愛媛県東部に姿を見せたという土蜘蛛の集団、またそれに合流しようという巫女の姿も、確認されている。

 …穢れを以って四国を死国とし、忘却の彼方へ封じられし戦乱の時代を呼び覚まそうする者の影が躍る。
 ここのところ不安定な空には、暗澹とした黒雲が広がっていて、気分を滅入らせる。

 ふと。

 ――第二次土蜘蛛戦争――

 などと。

 …そんな言葉が、脳裏に浮かんで消えた。
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by ryu-itirou | 2008-08-31 16:42 | 雑記
葉月の終わりに


 吸血姫は独り学園を去った。

 治子も言っていたが…個人的にはこれはこれで良かったのではないだろうかと思う。
 死刑、という選択は流石に荷が重かろうし、幽閉も能動的な利用法が見つからぬならばさしてやってみようという気にもならない。
 ならばいっそのこと開放して、プライドを逆撫でするのも楽しそうだと思っていたからだ。
 これより後、果たして兵を集めて再び攻め込んで来るのか、はたまた欧州吸血鬼の組織の大老達に「判った判った、まあ落ち着け」と宥められて不本意な沈黙を処されることとなるかは彼女の手腕と運にかかって来る。

 これで、先の楽しみが出来たというものである。

 それはそれとして、四国の妖獣依頼の方にも進展があったようだ。
 かの封印は、それぞれの封を以ってより大きな災いを封じているとの伝承を持つものであったようである。
 その情報を齎した者の属する組織の名は『天輪宗』――接触を持った相手こそ一般人だったが、その組織内には『力』持つ者も含まれているらしい。
 だというのならば…妖獣達を封じた、この『封印』という力。
 それを携える能力者がかの組織の中心を担う存在であろうことは想像に難くない。
 かの力を以ってその根幹を為す組織と考えてまず間違いはあるまい。

 果たして妖獣より大きな災いとは何なのか。
 忘却期前よりゴーストとの戦いを経てきたと自負し、矜持を持つ一族に生まれたわが身を鑑みるに、それを一笑に付してしまうには彼らの言葉はそら恐ろしすぎる。
 そのあの手の呪術様式では小さな魔術儀式を寄り合わせ、より大きな魔術儀式を為すというのはもはやお決まりのパターンではないか、これは現代に生きる能力者にもゲームや漫画でお馴染みの展開でもある筈だ。
 そして俺達が、そういう荒唐無稽、話す相手を間違えれば爆笑されるような世界に生きていることはもはや言うまでもない。
 果たしてかの封印を打ち砕き、小さな災いを払拭したことが果たして正しい判断だったのか――…もはやいまさらではあるが、未だ残暑の気が残るこの夜に、寒いものが背筋を這って降りていく。

 そしてさらに、かの土蜘蛛の孤独の女王瑞貴が関わっているらしいことを知る。
 どうやら配下の鋏角衆と蜘蛛童を使い、封印石を持ち去らせていたらしいのである、またその目的が自分の国を作るために石を欲しているらしいとも。
 さらに影は躍る。
 嘗て彼に従っていた東北の土蜘蛛の巫女一派。
 彼らは彼らで瑞貴を追い、彼の狂気が果たして、もう本当にどうしようもないものであるのか、その真意は、目的は何であるのか――それを確かめたく思っているように感じられた。

 三つ巴、いや正確には四つ巴である。

 未だ謎のヴェールに包まれた組織『天輪衆』。
 東北は狂気の女王、その一派。
 嘗ての配下にして混乱の内に袂を分かたれた土蜘蛛の巫女達。
 そして我々、銀誓館学園。

 …今年の秋の夜は、いつものそれにも増して長いものになりそうである。




















 以下馬鹿話。

 個人的にはこれで瑞貴がメガリスを得、無限繁栄を用いて兵を増やし。
 さらに加えて日本脱出をなせなかった(または本国でなしのつぶてで泣いてとんぼ返りしてきた)エレインをも取り込んで彼女に従属種をわんさと増させ、日本に新たな組織、土蜘蛛・ヴァンパイア同盟など出来たらおもしろ空恐ろしいなと思ったりした。(笑)
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by ryu-itirou | 2008-08-26 00:59 | 雑記
封印



「そもそも誰が妖獣を封印したというのでしょう?」
「いやまったく興味深い」


 そんな感じで学園近くの商店街(背景的に)で、後輩であるところの深雪と立ち話に熱を入れてしまったお盆明け。

 そう、封印である。
 古くからの能力者の家系であれば一度は耳にしたことがあるのではないだろうか?(多分)
 例えば強力なゴーストであったり。
 または倒すための特別な詠唱兵器が必要であったり。
 さらには特別な血筋を持つ者が十三日の金曜日午前2時にトドメを刺さないと完全に滅することが出来ないゴーストがいたりした場合。
 そのフラグを踏めない際に用いられるアレである。
 なにぶっちゃけすぎだ?気にするな。
 
 そんなわけで四国にて、特殊な石に封印された妖獣が多数見つかり、その始末へ学園が奔走している今日この頃だが――俺はこの妖獣よりも、封印された、という点に着目していた。

 上にあげたとおり、この業界ではわりとポピュラーであるといわざるおえない退治方法なわけだが(恐らく)、実際のところ俺も、そしておそらく現在学園に通っている現代の能力者でゴーストを封印した、などという話はついぞ、聞いたことがなかったと思う。
 それは、そういう『力』を持つ能力者が学園に居なかったということが理由である。
 しかし、現実にこうして封印石(仮名)を作り出し、そこへ数百年という単位でゴーストを封じ込め、活動の一切を文字通り封じることが出来る能力者がいるようだ、と、考えた時。

「それは是非とも運命の糸を繋げたいものだ」
 そう考えるのは自然な流れではないだろうか。
 そしてそれと同時に。
 多数出た封印妖獣討伐依頼の中に現れていた、石に近づく者を遠ざけようとする一般人。
 全く個人的な考えだが…この人々こそが、嘗てこの妖獣を封じた石を作り出した、未だ見ぬ『力』を持つ能力者の一派の末裔なのではないだろうか、と考えている。

 時が過ぎ、その力自体は失えどもその心だけは生き残り、この石には良くないものが封じられており、これに人を近づけてはならない。と、言い伝えを守ってくれていた人たち。

 そう思えてならぬのだ。

 そうなると、こうして現地で見張りにつくこの人々の上には。
 この現代にも『力』を受け継いだ、我々と同じ『能力者』が居たりするのではないかと期待してしまうわけである。
 江戸時代ごろから流行りだしたと言われる巡礼の旅。
 そのうちの一つである四国八十八ヶ所を巡るお遍路さんとは、実はもともと、こうした道々の石を管理・補完するためにかの能力者組織が始めたものであったりするのではないかと妄想を膨らませてみるとこれはこれで面白い。

 しかしそうして伝えられ、守られて来た伝承と封印石であるが。
 学園が発表したように、発端となる瀬戸内海の妖獣の封印が解けて暴れだし始めていたように、この四国の妖獣たちの封印も解けてしまう可能性は0ではない。
 そして、今の学園にはこれを討伐するだけの力がある、ならば後顧の憂いは断つべし、そう判断されたが故の、こたびの遠征依頼だろう。

 俺は直接関わることが出来なかったが、出来ることならば、かの地にてひっそりと息づいて来た伝承を守る方々との諍いの種となることなく、この事件が解決されれば良いと祈るのみである。
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by ryu-itirou | 2008-08-18 18:37 | 雑記
GTにて































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「俺が相手だ――」





























 そんな、後輩を庇う良い先輩に見える画像の錯覚。
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by ryu-itirou | 2008-08-14 16:45 | 雑記



 臨海学校を明日に控えた今日この頃だが…。

 …暑いな?
 皆元気にやっていると良いのだが。

 さて、すでに先週のことになるが――俺が所属している結社、朧のメンツで海へ行ってきたので記録しておく。
 場所は千葉県は九十九里浜、日程は二泊三日。
 なぜまた湘南も近い鎌倉在住であるというのに九十九里かというと…小学生も居る朧である。
 せっかく夏休みであるから少々遠出してみようということで車二台とバイクに乗り合わせ、足を伸ばしてみたわけである。
 ちなみにルートはアクアラインを選択、途中のPAである海ほたるからの景色も見せてやったら喜ぶのではないか、と思ってのことだった。
 幸い海ほたるからの景色も、九十九里の長い長い砂浜のカーブも(これが本当に、地図に見る千葉の東の岸のカーブが一望できるから凄い)宿泊先の石造りの外国風の建物(理人の家の持ち物だが)も、喜んで貰えたようである。

 そして二日目、最後の夜には近くで花火大会が行われることも下調べ済み。

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 ちなみに下に見える屋根は、海の家である。
 なにかの倉庫を改造したと思われるこの建物は広く、かなりの人数が収納できるようだった。
 俺たちも早めに別荘を出、店に席を取って畳の上から日本の夏の風物詩を堪能することが出来た。



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 また小さな子たちにはこういう縁日がまた楽しいものである。
 深咲もココナも、保護者がわりとしてついてきた俺たちをあちらこちらと引っ張りまわしてくれた。
 ああいう時の子供のパワーはやはり凄いものがあるな…やはり自分も小さな頃は、親にこう思わせていたのだろうかと思わず考える。
 そして発見したのだが…光る角、としかいえないヘアバンド状のおもちゃなど売っているのだな?最近は。
「…ラムちゃん?」
 と、つぶやいたら即時。
「古いですよ。。。」
 と、みずるに突っ込まれた。

 そして光る角の前で深咲とココナ、あと二人と手をつないだ朔まで固まっていたので三人に買い与えてやる。
 おそろいだー!とはしゃぐ二人のせいもあってか、恥ずかしそうにしつつ何気に朔もまんざらでもなかったようだった。

 …良い、休暇になったようでなによりである。
 まあ、掲示板の方ではまだ続いていたりするわけだが。(笑)






















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by ryu-itirou | 2008-08-09 11:27 | 雑記
花火































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ここに、キミが居たら良いのに。

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by ryu-itirou | 2008-08-07 00:57 | 雑記
夏真っ盛り


 の、昨今である。
 皆いかがお過ごしだろうか。

 学園の皆は来るべき臨海学校へ想いを馳せつつ、夏休みをエンジョイしていることだろう。
 かくいう俺も、横浜の下宿先、その同居人らと九十九里の方へ遊びに出かけたりしていた。

 学園には新たな能力者であるブロッケンやシルフィードといった面子が増え、よりいっそう賑々しい様子。
 そういえば…最近良く、鎌倉をTVで目にするような気がする。

 それはもちろん、季節柄ということもあるだろう。
 湘南にも近い観光都市である鎌倉のこと。
 この時期、TVで紹介される機会が増えるのもうなづける。

 だがそれとは別の可能性も、能力者である俺はついつい考えてしまう。
 それはTVで映る鎌倉の様子が文字通り『絵に描いたように』平和である、ということ。
 さも何もおかしなことは起こっていない。
 なにも危険なことも起きてはいない。

 当然ながら鎌倉にある銀誓館学園の生徒数は万を超えてなどいないし、外国人や妙な格好をして闊歩する者は観光客であると。

 いかにもアピールをしているように見えてしょうがないわけである、うむ、世界結界世界結界。
 果たしてこれも、職業病の一種と、言って良いものだろうかと悩む。
 夏の午後であった。
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by ryu-itirou | 2008-08-02 14:20 | 雑記