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ほわいとほわいと・DAY


 大事なことなので(ry

 もとい、そんなわけで一発で内容が判るタイトル講座その1。
 いよいよ当日を迎えたホワイトデー、そのお返しの包装などしつつ、バレンタイン当日の出来事を回想してみようという企画である、はい、拍手。

 さて、まずは2月14日その日、午後からそれはスタートする。
 未だ寒さは厳しいものの、良く晴れた日曜の午後。
 その日その時、その場所は横浜の朧館。そこで俺は家人の作ったチョコレートケーキやらクッキーやら、ホットチョコレートやらババロア、その他もろもろの名づけて『男殺しチョコ地獄』とでもいうべきお茶会のまっただ中に居た。

 いや、勿論どれも美味しくいただいたが。

 終始そんな和やかな雰囲気で過ぎていったお茶会も一通りのものを美味しく食し、あとは各自自由解散か――というところでその着信音が鳴る。

『山下公園にて待つ K・T』

 …はたしてその文面は、どこからどう見ても果たし状のそれ。
 俺のケータイであった。
 いや、イニシャルが書いてあっても、発信先は登録していたアドレスからであったから、誰が出してきたのかは丸判りだったわけだが。

「…ちと、出かけてくるな?」
 そう告げ、口々にいってらっしゃい、と言う家人をあとに、部屋にて出かける支度をすませる。
 そうしていざ、部屋を出ると――そこに一人の手弱女の姿。

 沙那であった。

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名称 :桜二藍
種別 :アクセサリー(大事なもの)
分類 :マフラー (防風、防寒のために首に巻く細長い襟巻きです。)
設定 :柔らかくて肌触りのよいガーゼマフラー。上品な紫と白のストライプ。

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「今日はまだ、寒いですから…お出かけなさるなら、丁度良かったです」
 そう言って、手を伸ばして首にマフラーをかけてくれる。
「…これは暖かいな。ありがとう、沙那」
 フツフツとこみ上げる高揚感に、何か感じ取るものでもあったのか、そうしておいて玄関先、火打石をカチカチと打つ沙那。
「どうぞ、お気をつけて」
「うむ、いってくる」
 ――纏うは黒のライダース、懐にはイグニッションカード。
 吠えよ、我が愛馬XTRA-RAPTOR。
 この先に待つは果たして一刻の修羅か、はたまた永劫の極楽か。
 いやさこの俺に極楽が待っていよう筈もない事は判りきっている。
 我知らず、メットの下で微笑んでいる自分に気付く。
 そう。
 それでも…往く!往かざるおえぬ。

「おーい、凪くんこっちこっちー」
「おぉ、キリヱ」

 そんなわけでメールの主は我が友、束原キリヱであった。
「はっはっは、一体どこのどいつから果たし状が来たものかと吃驚したぞ」
「はっはっは、メンゴメンゴ。あ、死語、てへぺろ☆」
 ペコちゃん的表情を浮かべて言うには、折角のバレンタインなのでプレゼントを用意してみましたよほっほっほ。とのこと。何故かイグニッションしている彼女の手に嵌った白と紫のガントレットはなんの関係があったのだろうか、ひょっとしたら不意打ちの一撃でも入れるつもりはあったのかもしれない。
 とりあえずマフラーとカラーリングがお揃いだな、と笑っておいたが。

 そんなキリヱから貰ったのは此方。

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名称 :浮雲
種別 :アクセサリー(大事なもの)
分類 :傘 (雨や日光を防ぐための道具です。)
設定 :群青色に薄雲の描かれた美しい踊り傘。丸く月のような透かしの意匠が施されている。

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 一般に松葉にも似た意匠――と、思いきや…文字通り松葉のような細い線によって枝葉を描いているのではなく、白い月の透かしによって、これが雲を表現しているのだと知れる。
 寒空へ掲げて見ると、その造形、意匠の見事さに自然とほぅ、と吐息が漏れる。
「…や、これは見事n」
「そんじゃ!束原キリヱはクールに去るぜ」
 …感想を、述べる間もなくバイトがあると去っていくキリヱ。
『ありゃあわりと気が小せぇんだ、小動物っつーかな』
 キリヱとの共通の友であるところの志野が以前述べていた言葉を思い出して。
 微笑み。「有難うキリヱ」と、届くとも知れぬ謝礼を述べるに留めた。

 さて、その後。
 ついでにと横浜の駅前で買い物なぞすませて帰宅すると待ちかねたようにやって来た人物が居た。
「ハッピーバレンタイン♪今年も天に手伝ってもらいつつ、心を込めて作りましたっ!食べてくれると嬉しいな…」

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名称:*。 Honey Heart。*
種別:アクセサリー(大事なもの)
分類:ソウルフード (心の拠り所となる食品であり、足りなくなると補充しています。最早、体の一部?)
設定:ちょっぴりビターなハート型のガトーショコラ。口に入れた瞬間に舌の上でとろけます。

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 八重であった。
 聞くに、先のお茶会とはまた別に、俺用にと予め作っておいた代物であるとのこと。
 一粒味見をすると、ほろ苦さの中にとろけるような甘さがあるなかなかの逸品である。

「……うむ、美味い。これならばそんなに甘くもないしまだイケてしまいそうだな」
 そう笑って告げると、花が綻ぶような笑みを見せた。
 なんだかんだで、晩御飯のあとにでもデザートに二人で食べようか、という話になり、また夕食の時に、とその場で別れた。
 有難う、八重。

 そうして部屋へと廊下を歩いていると…渡り廊下の先からだだだだだ…!と、元気な足音を立ててやってくる小柄な人影。
 ノラであった。

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名称:ろじうらひるさがり
種別:アクセサリー(大事なもの)
分類:書物 (文字や写真、絵などが印刷された紙を綴り合わせた書物です。)
設定:昼下がりの、街の猫たちの写真が収められた本。癒し系。

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「凪センパイ、猫好きだから、猫の本だよ!」
 えへへ、と笑うノラの笑顔も、それはそれは本に勝るとも劣らぬ輝きを持っていたわけだがそれはこちらの話だとおいておき、礼を述べてパラパラとめくる。

 その本の1ページ1ページ全てに、町でふと見かけるような、ごく当たり前の、飾らぬ猫たちの様子が、描かれていた。
 いや、写真であるから描かれていたというのは違うか、映し出されていた。
 その様子は、やはり飾らず、朴訥な、しかし元気一杯な笑顔がとてもチャーミングなこの後輩と同じ魅力を持っているようにも思えた。
「これはどうも有難う。…そうだ、では俺の部屋で一緒に見るか?」
「うんっ!ご飯までまだ時間あるしね!」

 ――…そうして穏やかな、初春の一日は過ぎていった。
 その日の夕飯後、さらにココナと八重から、午前中に行われていた学園主催の『あみぐるみを作ろう』という催しで作ってきた猫のあみぐるみ――その姉妹猫が贈られ、モモとミドリと名づけられた二匹が俺の部屋のサイドボードの上に並ぶことになるのは――また、別の機会に語ることとしよう。

 …あの良き日と、プレゼントに込めた心遣いをくれた皆へ、心からの感謝をこめて。
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by ryu-itirou | 2010-03-14 16:02 | 雑記