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誕生日






















 18歳の誕生日。
 待ちに待った日の到来であった。





 さて、そんな良き日。
 ウキウキ気分で登校した俺だったが…この日は実に忙しい日とあいなった。
 これは、そんな俺の一日の克明な記録である。





















 まず、朝。
 学校の授業が始まる8時半、その16分前である。
 クラスの後ろの引き戸付近から「部長さん、部長さん」と、俺を呼ぶ聞きなれた声が。

 奈緒であった。

 注:というわけで今回は実際にメールが届いたリアルタイムを参考に軽くSS風味っぽくお送りしてみたいと思います、なお、関係者各位への事前承諾は一切行っておりません。
 苦情等ありましたらお手数ですが手紙等でどうぞご指摘をお願いします、お詫びの後に泣きくれて酒に溺れます。

 そんな流れで受け取ったのはこちら。
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<誕生日プレゼント>

名称      :USBメモリ
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :記録媒体 (音楽や画像、映像などのデータを記録しておくための物です。)
設定      :プログラム、データ、計算の途中結果、最終結果を記憶する装置。

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 …これは…アレだな?
 パソコンなどに繋いでデータを持ち運んだりするための物と記憶している。
 部の方で扱うデータの持ち運びなどに役立ててくれ、ということだろうか…いやそれとも何かすでにデータが入っているものか。
 首を捻りつつ、制服のポケットへ。
 パソコンなどにはあまり造詣が深い方では無いが…折角の心遣いだ。
 是非これから活用したいと思う、有難う奈緒。(微笑)
 ちなみにそんな奈緒に付き添って来た仲良しさんであるところの浅祇には「あとでGT付き合って下さい!」と誘われ、約束どおり後ほど同行させて貰った、それについても此処で礼を述べておく。

 
 二時限目の休み時間。

 珪がやってきた。
 
 そして渡されたのは此方。

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<誕生日プレゼント>

名称      :千歳緑の水辺
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :小物 (小さな置物や雑貨など、こまごまとした物です。)
設定      :信楽の小鉢に五色石と苔玉をしつらえた小さな安らぎの観葉。水に濡れた石が美しい。

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 鮮やかな緑の箱を開くと、中に入っていたのは苔玉であった。
 掌サイズの良い感じの鉢に収まったそれは、光が当たると緑が、また五色石がキラキラと輝き。
 千歳――本当に千年経ってもその輝きを変わらぬものとするかのような粋な逸品。
 帰宅後に早速リビングボードの上に飾った。
 有難う、珪。(微笑)


 そして昼休み。
 この日は午前で早退し、大型二輪免許を受け取りに、免許センターへ向かう予定であったので…俺は手早く荷物を片付けて居た。

 そこへ差し出されたのが此方。

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名称      :Windhauch Herrscher
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :ベルト・帯 (腰につける装飾品です。)
設定      :黒いレザーに銀の止め飾りのついた、指の出せる通気性が良いツーリンググローブ

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 躑躅であった。

「最近、大型二輪免許を取得するため、頑張っていらっしゃるようなので…」とのこと。
 止め飾り部分のプレートに小さく刻まれた「Windhauch Herrscher」の文字。
 一瞬ブランド名かと思ったが…どうやらそういうことでも無いらしい。
 意味としては『風の王』など、そんな感じになるグローブのようだが…今度改めて、躑躅に意味を聞いてみたいと思う。
 何気にグローブなのかベルトなのか、はたまたセットなのかと悩んだが…まあそこはあえて触れない方向で、いや、すでに此処で触れたじゃないかというツッコミはスルーする。
 …ついでにいうと、正式名称は『Windhauch des Herrscher』というらしい。

 ……触れないでやってくれ?(優しげな笑顔で)

 そして下駄箱へ、上靴代わりにしているスリッポンを入れようとすると…そこにもまた、小ぶりな箱が置いてあった。
 純白の包みに青いリボンが結ばれた、見るからにプレゼントだといわんばかりの存在感を発するそれ。

 くららであった。

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名称      :勾玉の指輪『赤玉の縞瑪瑙』
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :指輪 (指につける装飾品です。)
設定      :サードオニキスがはめられたリング。対のイヤリング所有者と絆で結ばれている証。

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 挟まれていたカードを見るに…誕生石であるサードオニキスを配してみたとのこと。
 その形に何となく見覚えがあったのを思い出し、手の内で転がしながら暫しの思索。
 …そういえば、同じ勾玉をモチーフにしたデザインのイヤリングをくららがつけているのを思い出す。
「…なかなか、可愛げのあることをする」
 さて、どのような絆が育つことやら――今から楽しみである♪
 有難う、くらら?(微笑)

 さて、そうして免許センターにて免許取得にあたり軽い教習を受け、見事大型二輪免許をゲットした俺であったワケだが。
 そうなると無論、次にやるべきことは一つである。
 即、XTRA-RAPTORを注文しておいたバイク屋にTEL、家まで届けてくれるよう依頼する。

 受け取りに際しての手続きをすませ、ガレージにてしみじみと眺める。

「…やはり良い」
 思わず頬が緩むのを堪えつつ、磨きをかけ始めたわけだが…そこへ来客を告げるチャイムの音。

 王理であった。

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名称      :縹縞
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :着物 (浴衣や着物など、日本の伝統的な衣服です。)
設定      :白地に縹色の縞と鹿の子文様を入れた夏絽小紋。紺の博多献上帯付。

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 楚々とした着物姿で玄関先に腰掛けると…手にした包みを解いて現れたのが此方である。
 色合いも落ち着いた物で、深い青と黒にも近い色彩が混ざる生地は好みでもあったので。
 これは結構なものを…高かったろう。
 そう、問うと。
「そのような些末なことを…ほんの気持ちでございますればどうぞ、お受け取りを」
 と、華麗に裾を捌くと玄関先に三つ指ついて言うので…有難く頂戴する。(笑)
 有難う、王理。(微笑)


 そんなやり取りの後…汗をかいたのでシャワーを浴び。
 着替えをすませて再びガレージへ。
 すでに点検はすませてある。
 そして新車となれば、すぐに乗りたくなるのが人情、というものであろう。
 それに明日は遠出と洒落込む以上、今日のうちに少ないながらも慣らし運転はしておくべき、と思い。

 晩飯ついでに、そろそろ練習も終わろうかという部室へと向かったわけである。

 そして此処から5連戦。
 考えてみれば俺の交友関係の半分以上が集うと言っても過言ではない我が古武道部である。

 それは、こうなる。

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名称      :PRINCY GUCCISSIMA モノグラムレザー
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :鞄 (バッグやアタッシュケースなど、物を入れて運ぶ袋状の用具です。)
設定      :カーフレザーのブラック。収納力の高い二つ折財布。

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 以前そういえば聞かれたなと思い出す。
「今、何か欲しいものはあるか?」
 朔である。
 クリスマスにクリオネの発案で、朔の誕生日パーティーをしてやったことがあったわけだが…そのお返しとして何か贈るというので「そろそろ古くなって来たから…財布かな?」と答えていたわけなのである。
 いや普通に有難い、そして嬉しい。
 有難う、朔。

 そしてふと目を見やれば…そんな朔とのやり取りを、物陰から。

 |・)

 こんな風に見ている者が。

 |・)ノ…こんばんはぁよ?

 …更夜であった。

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名称      :龍一閃
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :うちわ・扇 (あおいで風を起こしたりする際に使用する道具です。)
設定      :龍と波が墨一色で描かれた涼しげな……鉄扇。

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「…えっとフツーなんだけどっ!ぜんっぜんたいしたものじゃないんだけどっ!」
 と、必要以上に赤面し、焦りながら手渡してくれたのは扇…鉄扇であった。
 墨で描かれた迫力ある龍と、天地で対となるかのようにその下、骨組み側でうねる流水紋にも似た一筋の波。
 幾度か開き、閉じてみる。
「これは良いものだ」
 掌を頭に置くと、本当に嬉しそうに笑ってくれるのが可愛らしい。
 有難う、更夜。(微笑)

 
 さらに。
「なぎせんぱいいつもありがとねぇ!!」
 と、やって来たのはノラだ。

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名称      :M-SHOCK
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :時計 (腕時計や懐中時計など、時間を計る道具です。)
設定      :ストップウォッチ機能も付いた、ごつめの時計。でも柄はネコ。

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 …OK、とりあえず。
 何故Mなのだろう…。(笑)
 いや、軽く変えてみたのは判るのだが…どういうネタでMなのかな?と。
 猫ならばNだし…ひょっとして三毛猫のM、なのだろうかと思いつつ。
 今度これも、聞いてみたいと思う。
 有難うなノラ。(微笑)


 猫グッズは続く。

 同じく、中3同士でノラと仲の良い柚奈からは…こんなものを貰う。

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名称      :銀猫
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :ストラップ (携帯電話や鞄などにつける、吊り下げ型の装飾品です。)
設定      :銀の鈴とそれを手で追う猫の可愛らしい銀のストラップ。

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 …。(きゅん)
 と、来るこの感じ、久々である。
 皆に愛されている自分を感じる、いや、妄想だと判っているから置いておけ。
 
 最近は忙しいらしいがその合間を縫ってわざわざこうしてプレゼント贈ってくれる部員がいるのだ、少しくらいは自惚れるのは許して貰いたい。(笑)
 有難う、柚奈。(微笑)

 可愛らしい後輩達が去るのを眺めていた俺に、次にかかった声はこんなものだった。
「おめでとうございます…処分はお任せしますが、受け取って下さいましね?」


凛々であった。

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名称      :銀の鍵
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :鍵 (扉や箱の蓋(ふた)などを開閉するための道具です。)
設定      :紫色の細いリボンが付いている銀製の鍵です。

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「…はて、これは何の鍵…」
 問いかけた時にはすでに眼前から姿は消えており。
 しかしそれが夢幻ではなかった証しに、小さな、綺麗な鍵は何処か秘密めいた輝きを残し、掌に収まっている。

 …謎は謎としておくも一興か、そう呟き。
 有難く頂いておくことととした。
 有難う、凛々。(微笑)


 …長い、一日であった。

 それから浅祇や相澤、識から連絡を貰いそれぞれとGTへ向かい…結局夕食はファミレスで独りすませた。
 とはいえ…バッグに収まった数々の物品、贈られた言葉を想えば侘しいなどということは無論、無く。
 また、わいわいと賑やかな祝宴は、毎月月末に結社で行う誕生日パーティーで味あわせて貰うであろうから…寂しさなぞ、無縁である。
 ちなみに後日、やはり部員である一からも誘いを受けてGTへ赴いた、あわせて礼を述べておく。

 さて、そうして帰宅したらばもう結構な時間。
 疲れはある、だがその疲れは酷く心地よいものであった――。














 …と、此処で終わっておくと綺麗なのだが。





 …深夜。
 家周辺に人の気配を感じた。
 砂を食む靴の音、それに混じる金属音をバルコニーにて聞き取ると…不意に音も無く降り立つ人影が。
「…お前か、どうしたこんな時間に」
 懐のIGCから、手を離す。

 青柳であった。

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名称      :忍びの秘伝書
種別      :アクセサリー(大事なもの)
分類      :書物 (文字や写真、絵などが印刷された紙を綴り合わせた書物です。)
設定      :古書……に偽装されたくの一グラビア2007年度版。里の長老秘蔵の逸品、らしい。
  

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 無言で俺に手渡すと、再び屋根の上へ跳躍、闇へと紛れる影。
 そして遠ざかって行く気配、それを追うのは木々を飛び移るかのような葉擦れの音、刹那に吹き去る夜風の使者達。

 …一瞬加勢するかとも思いつつ。
 必要ならば言う男だ、そして無闇と頼るのを良しとせぬ男だ。
 対面していた際纏っていた気も、生死をかけたやり取りをする者のそれではなかった、恐らくはそこまでの大事というわけではないのだろうと納得し。
 部屋に戻り鍵をかけ、入手したばかりの古書へと改めて向き直る。

 …良い物であった。(ぱたむ)
 有難う青柳、男同士にしか感じえぬ熱き友情を新たに知ったぞ。(サムズアップ)


 良いオチもついたところで一先ず此処まで。

 最後に。
 プレゼントを贈ってくれた者はもとより、部室(掲示板)にて祝辞をくれた者、GTへ誘いをかけてくれた者、手紙をくれた者。




 それぞれに心よりの感謝を。(微笑)



 
by ryu-itirou | 2007-06-21 02:02 | 雑記